コスモポリタンの勧め⑥「本物のコスモポリタンに学べ!」

From:村中大祐

私の憧れのアーティストは、その昔から今でも変わらず、
ピアニストのアルトゥール・ルービンシュタインだ。

このユダヤ系ポーランド人ピアニストの書いた自叙伝を読むと
何より豊かな「生きた教え」をいただいた気がする。

ルービンシュタインは、誰より優れた能力があった。
それは「フォトグラフィック・メモリー」。

つまり写真のように
ありとあらゆる場面を幼少時から記憶していて、
それをあたかも今起こったことのように
呼び起こすことができる、というところだ。

この能力は「速読」で鍛えることができる、ということらしいが
ルービンシュタインのそれは、ちょっと普通では
考えられない記憶の正確さだ。

今の世ならアスペルガーに分類されるのではないだろうか。

同じくコスモポリタンとして有名なのは
モーツァルトだろう。
彼の手紙を読むと、ありとあらゆる言語で
姉や父、友人に宛てて思いのたけが綴られている。
ある時からロンドン行きを計画して
英語で手紙も書かれたりしているが
これは妻のコンスタンツェが病弱だったことから
断念せざるをえず、代わりにハイドンがロンドンに行って
大成功を収めたことは、
ご存じの方も多いことだろう。

それよりも少し前の時代のコスモポリタンとして
その自叙伝が歴史的な意味を持つ人は
ジャコモ・カサノヴァだ。
これはおそらく日本語に訳されているだろうが
本当に面白い。
画像の説明
私はイタリアの古本市で全巻揃えたが、
全12巻のまさに大作だ。

読書好きの方なら
マルセル・プルースト、
ロジェ・マルタン・ドゥ・ギャールや
エリアス・カネッティの大作を読むのと
同じかそれ以上のエネルギーで
読むように思うかもしれないが

これらの自叙伝は意外に簡単に読めてしまう。
自叙伝とはそういうものだ。

そして、この自叙伝や手紙を読むことは
言葉を学ぶ上でも
楽をして得られるものが多いという意味で
お勧め。

ちなみに自叙伝といえば
他にも劇作家でモーツァルトとウィーンで
ともに3部作を書いたロレンツォ・ダ・ポンテや、
もっと時代を遡ると、
ルネッサンス期のイタリア・フィレンツェで大活躍した
ベンヴェヌート・チェリーニ(彫刻家)の
自叙伝が面白い。

これらは必ず英語に訳されているはずで
英語の勉強をするのにも最適。

ちなみに私はニュースレター執筆のために
当時ウィーンで買ったカラヤンの自叙伝を最近読んでいたけれど
ドイツ語を学ぶなら、こういうのもお勧め。

コスモポリタンだった人たちの
記録をひも解いていけば
例えそれが日本語で読んだとしても
世界は広がるというわけ。

ヨコハマの自宅より
村中大祐

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