これまでブラームスを随分と演奏して来た。
でも彼の音楽の中に南の光が差し込む場面があっても、
気付かず通り過ぎていくオーケストラにも出会った。
陰と陽のコントラスト。
カラヴァッジョの絵からも分かるように、
光が無ければ影はない。
北ドイツのハンブルク生まれの、
とっつきにくいオヤジのイメージがあるブラームスだが、
彼の音楽の力には赤いオーラが充満して、
自然から受けた生への強いエネルギーが満ち溢れている。
よく野菜や果物、或いは獣の肉からその生命を頂くと人は言うが、
ブラームスの音に込められたエネルギーは、それに勝るとも劣らない活力といのちの源泉だ。
幾重にも折り重なる十二単の艶やかさ。
秋の味覚とブラームス。
全てが東京というオリエンテ(東方)で一つとなるのは、
今この季節しかない。
10月15日(土)紀尾井ホールで
とくと ご高覧あれ。
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