Muranplanet「指揮者村中大祐の世界」

「私、強い音キライ。」6か国語を操り世界で活躍する異色の指揮者、村中大祐。「ホンモノの自由と豊かさ」を音楽の中に見つけた男が、その成功法則、マインドセット、リーダーシップ、海外進出、音楽、そして人生を語る!

クラシック音楽の処方箋 音楽とサッカーの関係性

クラシック音楽とサッカーの深い関係

更新日:

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■編集後記

どうも。村中です。

さて。

ワールドカップサッカーも
段々と佳境に入りましたね。

私は健康のため
寝る時間が毎日早いので
サッカーを観るために
わざわざ夜更かしすることはありませんが

実はサッカーをプレーするのは
大好きなのです。

私がサッカーを好きな理由の一つは

そのよどみない「流れ」にあります。

昔12チャンネル(現在のTV東京)で
土曜日の夕方になると
海外ヨーロッパや南米の試合を
毎週放映していました。

それを観ていて、
私はサッカーの魅力に目覚めたのですね。

特に当時の私のお気に入りは
ドイツ人のサッカー選手、
カールハインツ・ルンメニゲでした。

彼らはパス回しも巧みなんですが

どちらかと言えば
論理的な組み立ての試合運びなんですね。

これに対して
後にフランスの貴公子と言われた
ミシェル・プラティニは
芸術性の高さ、ヒラメキの天才です。

よくイタリア語でファンタジスタと言いますが
まさにこの言葉は
プラティニのためにあった言葉です。

いずれもドキドキしながら
当時は試合を観ていました。

サッカーの中には
流れがあります。

その流れを観るのです。

それが私の小学校の頃の感性でした。

だから音楽にもやがて
同じようなものを感じるようになります。

点ではダメなんです。
それが連なって「流れ」にならないと。

止まっている試合。

例えば「巨人の星」のワンシーンは
一球投げるのに20分かかったりします。
(アニメの場合ですよ)

それが可能なのが
実は野球というスポーツです。

もちろん野球にも流れはありますが
点が混在するような感じで

サッカーのような全体像は感じられません。

論理もないのです。

野村監督の野球は
コンピュータ野球だと言いましたが
私にはその言葉自体にも
野球そのものにも
あまりワクワクを感じませんでした。

これは私の私見ですが

音楽の感性は
野球ではなくサッカーの方が
近いと思っています。

それは全体の流れを知り
それをデフォルメしたりできるからです。

野球でも流れはあるし
交代要員によって流れが変わることは
私もわかりますが

やはり野球の場合は
プレー全体がひとつの音楽のフレーズように
描けないんです。

そこが一番の問題ですね。

一球一球で流れが止まるのは
音楽的とは言えないんです。

これは日本語がぶつ切れになることとも
関係があります。

野球は日本語のフレーズ感と
近いものがありますね。

だから日本人には幅広く
受け入れられたような気がするのですが。

ところで。。。

音楽では一つのフレーズを
それまでよりも強調することで
全体の流れが変わったりします。

強調の仕方にはいろいろあるのですね。

1)例えばテンポを遅くしてみる。
2)あるいはリズムを鋭角的にしてみる。
3)音量を極端にピアノにしてみる。
4)タイミングをずらしてみる。
5)間をあけてみる。

一か所、ワンフレーズを強調するだけで
全体の構造が変わるのです。

これが「流れを変える」方法論です。

私は指揮者になるために
最高の場所に行くことを考えて
日本を飛び越して
本場ウィーンにいきなり飛び込みました。

そこで観たものは
始めから非常に興味深い体験でした。

ウィーン楽友協会大ホールでの
ウィーン・フィルのリハーサルには
当時誰もおらず、忍び込めたのです。

本当はダメらしいのですが
うまく門番から逃げて
いつも大ホールに隠れていました。(笑)

アッバードのブルックナーの4番のリハーサルが
私の一番最初に聴いたウィーン体験となりました。

あの音は今でも忘れもしません。

トレモロの後に始まった
ホルンの独奏は、
無人の黄金のホールに響き渡りました。

そんな体験を、
実はありとあらゆる名指揮者の下で
得られたのですから
これはかけがえのない財産です。

でも実は、聴こうと思えば
別に誰でも聴けるわけでしよう?

特別な体験とも言えませんよね?

そこに「何を聴くか」が、実は一番重要なわけです。

さて。

そこで私が注目したのは
ウィーン・フィルを訪れる
名指揮者たちのリハーサルの方法論です。

実はみんなやり方が違うのです。

一人として同じ人はいない。
これは驚きでした。

「当たり前だろ?」と言われそうですが
やってみたらわかります。

結構、リハーサルってのは
実はみんなどうしてよいか
わからないものなんですよ。

今日はお教えしましょう。
長年の経験から培った

オーケストラの指揮者の
リハーサルの方法論概論です。

リハーサルの方法には大きく分けて
3種類の方法があります。

1) あまり細かいことは言わずに、オーケストラに任せる。
2) オーケストラに自らのやり方を徹底させることに時間を掛ける。
3) ポイントだけをリハーサルする。

私が目指しているのはもうお分かりですね。

そうです。この3番目です。

ある時気が付いたんですよ。

サッカーの流れを変えるためには
どうしたら良いか。

この命題とリハーサルの方法論は
よく似ているのです。

まず、何を隠そう、
オーケストラの人選が大事です。

オーケストラの中で演奏するメンバー、
つまり構成員の人選のことです。

ここはまたお話しますが
極めて重要なファクターです。

特に新鮮な材料が必要なので
新しい人材を常に入れ替えていく。

そういった「前提条件」が整ったなら
後は自分のスタイルを
音楽家の皆さんに
理解してもらうんです。

ここは「独裁者」から「理論家」、
そして「民主主義者」など
いろいろなタイプに分かれますね。

ここで私の経験から申し上げるなら

指揮者はあまり多くを語らなくても
よいのです。

実はポイントをリハーサルすれば
それで済むんです。

じゃあ、あとは何をするか?

全体の流れを掴むことです。

指揮者がまずは自分で流れを掴み
それをオーケストラの音楽家に感じてもらう。

そのためには何度か繰り返し
全体像を把握するための時間が必要になります。

サッカーと音楽が似ているのはこの点も同じです。

サッカーでは相手のゴールに行くまでの
組み立てが一つの流れになる訳ですが

答えを得る(ゴールを決める)までに
何度でもやり直しができるわけです。

それはまるで
オーケストラのリハーサルで

音楽家たちが
「ああでもない、こうでもない」を
繰り返すのを観ているようです。

そこで素敵なフレーズを演奏する人が出て来れば

急に全体の流れが変わって
素晴らしいゴールを決めることができたりする。

コアになる強みが生みだせるかどうかは

この「新しいアイディア」を出せるかどうか

ここにかかっています。

全体にインスピレーションを与えることが
できるかどうか、は
こういった一つのポイントで決まるのです。

だからワンポイントのリハーサルが
重要なのです。

全部を細かく指示することもありますが
そうなれば逆に音楽家の自主性が
失われて瑞々しい表現が生まれません。

その辺りのさじ加減で
音楽やサッカーの
勝敗が左右されるのです。

私は日本人が野球よりも
サッカーを好むようになれば

クラシック音楽を愛好する人が増える

そう信じています。

つまり「流れを楽しむ」ことができる人が
増えてくれば

音楽の愉しみ方も

「間違い探し」や「知識偏重」から

音楽の中の「ストーリーを感じる」ことへと
その価値観がシフトするからです。

実は音楽は人生哲学のようなものです。

或いは「孫子の兵法」のようなものかもしれません。

人生の流れを読み解くように
音楽も読み解くことができます。

そういう愉しみ方ができるようになれば

音楽はまさに、人生を愉しむための
最強のツールとなるはずなのです。

点を線にするだけじゃなく
その流れがどう変容するか、

流れが変わることで
全体のイメージがどう変わるか

そういった「エッセンス」を
愉しめるようになれば
人生は豊かになること、請け合いです!

これはホント、最高の贅沢なのですよ。

今日も素敵な一日を。

村中大祐

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