「横浜に新しいオーケストラを作る」と私が言ったとき、彼らは笑った。でも、私が世界のクラシック音楽の祭典で 「イノヴェーション・アワード」にノミネートされると…
指揮者の村中大祐は1999年に日本でデビューした。東京フィルハーモニー交響楽団を指揮したデビュー公演は素晴らしい評価を得たが、続く新国立劇場でのオペラデビューでは、本場ヨーロッパのやり方を取り入れたオペラ制作の手法が多くの歌手たちの反感を買い、またオーケストラからはその後行く先々で、「必要ない指揮者」とのレッテルを貼られ、まさに八方ふさがりの状況だった。
テレビ朝日系列「題名のない音楽会」、日本テレビ系「深夜の音楽会」、BSフジ「Table of Dreams 夢の食卓」、NHK教育テレビ、NHKBSプレミアム、テレビ神奈川、NHKFM,FMTokyo,FM YOKOHAMAなど出演多数。第11回出光音楽賞ほか受賞多数。現在Orchestra AfiA芸術監督、イギリス室内管弦楽団国際招聘指揮者。これまで英国グラインドボーン音楽祭、スイス、ザンクトガレン・オペラ祭、ヴェネツィア・フェニーチェ歌劇場など世界のオペラ座で活躍。NHK交響楽団をはじめ国内主要オーケストラに客演。東京外国語大学国際関係論卒業。ウィーン国立音大指揮科修了。マリオ・グゼッラ国際指揮者コンクール、トーティ・ダル・モンテ国際オペラコンクール指揮者部門「ボッテーガ」でいずれも第一位。トスカニーニ国際指揮者コンクールファイナリスト。村中&AfiAの「自然と音楽」演奏会シリーズは、2016年Classical:NEXTのイノヴェーション・アワードのファイナリストに世界2000団体から選ばれた。
村中大祐 (指揮者)
Photo©NAKAMURA Yutaka
2001年には、それでも本格的なオペラ公演を率いたことが評価され、特に指揮者の岩城宏之氏が評価して、栄えある出光音楽賞を受賞。傍からは順風満帆であるように見えた村中の前途には、ある種の絶望感ばかりが漂っていた。
そんな中、イギリスのマネージャーが持ってきた仕事は「グラインドボーン音楽祭」だった。日本での仕事は先細りだったが、初めての英国、しかも世界最高のフェスティヴァル。村中はそこで奇跡を起こした。登壇した指揮者が失神して、そこで東洋人として初めて音楽祭で指揮し大成功したのである。その場に居合わせた巨匠イルジ・コウトの推薦により、翌年にはスイスのオペラ・フェスティヴァルのオープニングを指揮してドイツ語圏でのオペラデビュー。更にはイタリアの大劇場の定期演奏会で成功するも、日本の楽団からは「無用の指揮者」として全く声がかからない。
だが、そんなある日イタリアの公演帰りの機上で、急に「オーケストラを作れ」という声が聴こえてきた。まさに天の声だった。村中はそのインスピレーションを信じて、帰国するとすぐヨコハマの知り合いに話をつないでもらい、同地でオーケストラとオペラを作りたい旨を説得して回ることになる。
だがそこである会社社長から言われた言葉は
「あなたは正気ですか?そんなこと、できるわけない。無理ですよ。」
の一言だった。彼は村中を軽蔑したような眼で見下していた。
村中へのネガティブコーラスは、その後も行く先々で続いたのだった。
「あいつもこれで終わったな。」
「バカなやつだ。本当に成功すると思っているのか。」
「みじめな人生を送るのがオチだ。」
「あいつもこれで引退だな。」
彼らは村中が絶対に失敗するだろうと思っていたのだ。
だが、そこで一人だけ村中の言葉と信念を信じる人が現れた。彼は横浜の名士だったが、村中の中学の先輩で横浜随一の老舗出版社の社長であり、大の音楽好きだった。
「君の話を横浜市の副市長に通しておいたから。頑張ってくれ。」
村中は横浜で、オーケストラだけでなくオペラのカンパニーを立ち上げ、それが横浜開港150周年の記念事業として動き出した。今ではこのオーケストラはOrchestra AfiAとして4年目を迎え、マスコミに取り上げられるだけでなく、世界でもその活動が評価されることとなった。テレビでは「指揮者村中大祐の世界」と題したドキュメンタリーが放送された。
それと同時に村中の音楽も評価され、英国のチャールズ皇太子の下で指揮を執るようにもなった。
驚くべきは、横浜市の力を借りてできたオーケストラだ。横浜が財政難でオペラのプロジェクトがたち切れとなった後、今度は指揮者の村中が個人でオーケストラの運営を始めたのだが、デビュー当時日本中の音楽家が「まるで敵」のように思えたのとは打って変わって、音楽家たちはまるで親友であるかのように話しかけ、今度は彼らが率先して協力者として力を貸してくれるようになった。
そして遂に「そんなこと、無理だ。」と言っていた会社の社長と横浜駅でバッタリ出会った。「村中さん。あの時私が貴方に言った言葉、どうか許してほしい。貴方は本当に奇跡を起こした。本当におめでとう。」
村中が世間から理解を得た瞬間だった。
1990年代、村中はウィーンで、あるドイツ人指揮者からこう言われた。「お前たち日本人にベートーヴェンが分かってたまるか!」
今年2016年の英国での公演は非常に評価の高いものだったが、チャールズ皇太子の前で披露したベートーヴェンの交響曲は、フェスティヴァルの芸術監督をして「あなたのベートーヴェンは忘れられない演奏となった。Your Beethoven is not to be forgotten」と言わしめた。
また村中は世界のクラシック音楽団体2000団体以上が加盟する「Classical:NEXT」のイノヴェーション・アワードにノミネートされ、彼のすすめている「自然と音楽」演奏会シリーズは、世界各国の審査員から選び抜かれた最終10団体の一つに選ばれたのである。
講談社の「クーリエ・ジャポン」誌上で掲載された指揮者村中大祐のインタビュー「世界で活躍する指揮者のリーダーシップ論」は
現在そのアクセス数は20000人を超え、多くの人に読まれている記事のひとつとなっている。
このリーダーシップ論は、音楽以外の畑の人達の共感を得たようだ。
どうやって音楽を通じて世界の人たちの共感を得ることができたのか?
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